埼玉新聞朝刊「ドクターQ&A」(埼玉新聞掲載2020年7月30日)

毎年花粉症に悩まされています。目がかゆくならないようにできないでしょうか。

スギ花粉症などの季節性アレルギー性結膜炎の症状は、充血や目のかゆみなどがありますが、アレルゲンに対するアレルギー反応で、ヒスタミンなどの物質が神経や血管を刺激することで起こります。
 セルフケアとしては、バランスのとれた食事や規則正しい生活と、花粉から遠ざかること(抗原回避)が重要です。外出時には、帽子やマスク、防護メガネの着用や、花粉の付着しにくい素材の服装を選び、帰宅後は、うがいや洗顔、洗眼薬で花粉を洗い流すと効果的です。その際は、防腐剤不使用の人工涙液点眼薬を使うことをお勧めします。
それでも症状の軽減がない場合は、アレルギー反応物質の遊離や血管・神経受容体に結合しないようにする抗アレルギー点眼薬での治療となります。ですが、作用発現までに少し時間がかかるため、症状が強く出てからの使用ではやや遅く、出来たら花粉が飛散する二週間程度前から点眼開始(初期療法)し、処方通りの回数で、継続的な使用がより効果的です。
また、春季カタルなどへ重症化した場合は、ステロイド点眼薬や免疫抑制点眼薬を併用しますが、ステロイド点眼薬は、長期間使用するとステロイド緑内障を発症するリスクがあるので、定期的に眼圧をチェックするため通院する必要があります。
不快で憂鬱な症状を軽減させるには、早期から継続的に対策することがカギとなります。

2022年04月19日