埼玉新聞朝刊「ドクターQ&A」(埼玉新聞掲載2020年11月20日)

眼を守るためのサングラスは、どのように選べばよいでしょうか。

 サングラスは、日差しや強い照明から眼を守るための保護眼鏡で、眩しさや紫外線などを低減するためのものです。
紫外線は、可視光線よりも波長が短く、長波長紫外線(UVA)、中波長紫外線(UVB)、短波長紫外線(UVC)に分類されます。UVCはオゾン層で吸収され、地表に影響を及ぼすのはUVAとUVBです。眼に対しては雪眼炎(雪目、雪眼)や紫外眼炎(電気性眼炎)、結膜が異常に増殖して角膜に覆い被さってくる翼状片や瞼裂斑の形成、また水晶体が変性混濁する白内障や歪みや中心部が見えづらくなる黄斑変性などの病気の原因に成りえます。
また、自然界の紫外線のほかに、特殊な状況下での障害として殺菌灯、溶接アーク、水銀灯ハロゲン机上灯のUVCによる障害もあります。
その対策にはサングラスが有用です。ただ、その選択ですが、一般的には色の濃いレンズのほうが紫外線をカットすると思われがちですが、濃い色のレンズほど瞳孔が開き、より紫外線が入る可能性があります。そのため、レンズの色調より紫外線カット率を重視されたほうが有用です。また、紫外線は地面に反射して目に届くこともあるため、レンズが大きく、隙間をつくらないために目の側面もフィットするものが望ましいのです。
色調に関しては、各色で印象と特徴がありますので、目的や用途によって選択されると良いと思います。
2022年09月28日